長編映画の進捗は今日もシナリオを書く一歩手前だ

このブログは、スタジオランチボックス初の長編映画完成までの過程をつづった制作手帳シリーズです。
少しずつでも前進する(する?^^;)記録として、週ごとに更新しています。


ショートドラマの制作が佳境を迎えるなかでも(そして受注の仕事が年末並に忙しいということもある)スローペースだが長編シナリオの準備も進めている。

シナリオの書き方は人それぞれ。でもいきなりワード開いて「柱(シナリオ用語。場所を特定する記述)」を書き出す人は少ないと思う。というわけで長編(候補2作目)のビートシートと構成を、時間を見つけてやっていた。「さぁこれで先に進んでもいいんじゃないか」と思った段階で一旦シナリオに取り掛かりはしたものの……。

ほとんど出だしでつまづいた。

物語の起爆剤となる事件について、もっと掘り下げる必要があるんじゃないかと感じたのだ(ちなみに起爆剤ではあるものの、事件は物語の根幹ではない)。そこから事件についてより詳細に練り直し、その事件が発生しうるように設定を改良し、キャラクターの状況も変更を加えた。設定のディテールを積み上げ、掘り下げしていくのはとても楽しく、気分もあがる。解像度のあがった結果、描くシーンも鮮明になる。

だがしかし。そうやって設定の詳細を作っていっても「よし!これで進めてもいい」と思えない。

ショートドラマの撮影準備と並行しつつのなんとか捻出した30分、一時間を、ほぼ画面を見つめる事に費やした。生み出されるのは「うーん。うーん。」という困惑のうめき声のみという不毛な時間を費やした末、たどり着いた結末は……。待て次号!

と引っ張るほどのことでもない。事件は登場人物AとBが出会うきっかけになればいいのだ。出会って、惹かれる。この物語は後者がメインだ。事件はきっかけ。シンプルに行こう!

こうして今日現在も、長編はシナリオを書く一歩手前だが、なにショートドラマの制作は佳境だし、受注は年末並に忙しいので、進行がゆっくりなのも仕方がないのだ。

次回の製作手帳は、再び撮影直前のショートドラマについて触れていければと思っています。
チェックしてもらえると嬉しいです。

スタジオランチボックス 製作手帳

これまでの制作手帳はこちらに一覧でまとめています
長く楽しく、ときに苦しい制作の裏側を一緒に追いかけてもらえると嬉しいです。