StudioLUNCHBOX

フリーランス3年目の映像クリエイター。スタジオランチボックス主宰の高橋雅紀がフリーランスとしての気づき、映像制作、シナリオ作成のTipsなどを紹介しています

ソウルの下北?演劇の町。テハンノに来た ソウル旅行記2018 ④

DMZから戻ってソウル市庁前で解散。

14時をちょっと回ったあたりだ。

テハンノという町へと向かう

2号線の電車でお馴染み東大門へ行き、もはや俺の足といっていい4号線に乗り換え、一駅先の恵化駅(ヘファ)で降りる。

演劇の町という事で早く街を回ってみたいがその前に。

友人のこういちさんからのミッションを片付けるため、きな粉パッピンスというかき氷を探す

ピンスの有名店、ソルビンなる店を探し入店。

ここで思わぬ難関が立ちはだかった。

そもそもきな粉って英語でなんてんだ?

英語名が判らないと注文ができない。

レジ前で「あ〜、え〜」となるオイラに冷ややかにメニューをかざす店員。

あきらかに、きな粉と思しき写真を指差すと「あぁ」という表情。

でてきたのはこんなやつ。

snowflakesという名前で、雪氷と訳されてるのを後で知る。

実際かき氷よりも、舌触りがなめらかで、あまり冷たさも感じない。

かき氷食べてよくなる耳が「き〜ん」となるアレはない。

スプーン2つあったので、おそらくこれは一人で食べるのはレアな奴だ。

実際、女子大生4人くらいで、1つのピンスを掬って食べてた。

 

そのまま遅い昼食へ。

カウンターがあるチェーンチックなチゲの店に入る。

だって日本語表記があったから。

にもかかわらず券売機はハングルオンリー。適当に押してたら2個頼むことになり、学生らしき店員を呼び、1つにしてもらう。

この街は英語も日本語も通じない。

やっと外国に来た気がする。

 

 

 

街を歩く。

明洞や東大門に比べて、時間の流れがゆっくりしてる気がするのは訪れた時間が早かったからだろうか。

大きいの、小さいの。たくさんの芝居小屋が点在してる。

「下北みたいだ」と思ったが規模が違う。

ずっと大きく、組織化されている感がある。

公演中のチケットをまとめて扱うカウンターが点在し、当日公演のチケットは割引価格で提供される。

「舞台を見る」という事が生活に根付いてないと、この手の販売網は出来てこない。

このシステムは、おそらく無名の劇団の集客に効果を発揮するだろう。

彼らがその後羽ばたけるかは、舞台の質にかかってる。

 

2016年からロングランしてる公演もあるようだ。

日本の小劇団の舞台で、そんな舞台あるんだろうか?

 

むしろこの街が志向してるのは「アジアのオフブロードウェイ」のような気がしてきた

中長期的な視野で舞台文化を発展させようとする人たちがきっといて、長い時間をかけて、実際にここまで大きく育ててきたのだ。

その粘り強さと、意思の強さに、尊敬の念を覚える

 

なにか1つ見てみようかという気分になる。

が、やはりチキンなのと、公演開始までの待ち時間の長さに心が折れる

代わりにブログで見かけた小洒落たバーに立ち寄った。

町家を改築したような、小さい箱庭のような店だ。

お一人様OKという触れ込みだったが、実際にお一人様はほとんどいない。

ここも限りなくハングルオンリー。

お互い、単語単位の英語と、メニューを指差し、オーダーをした。

雰囲気はとてもいい。

言葉が通じて馴染みになれれば、毎日でも通いたい。そんな場所だ。

2杯頼んで、お会計。

レシートをもらう人は少ないらしく、クシャッと丸めてポイってした。

その後、俺が手を出してるのに気づいて「うわぁぁぁ」となった女性バーテンダーさんの狼狽ぶりが最高に可愛かったことを記しておこう。

別に俺はクシャッとしたやつでも良かったんだけど、わざわざ出し直してくれた。

カンサハムニダ。

 

まだまだ日は高い。

駅前広場のベンチに腰をおろして、風に当たる。

間隔をあけパフォーマンスを披露する若者たち

R&BK-pop、アカペラに、レ・ミゼラブルまで。競いあうかのように、歌声が響き、曲が終わると、拍手が響く。

とにかく上手い。つい腰をあげるのを忘れ歌を聞き続けてしまう。

30分近く聞かせてもらった、R&Bを歌う彼にチップを渡す。

おめでとう!

キミは俺が初めてチップを出した路上パフォーマーだ。 

気づくと、この街に半日くらいいた。

次来る時はミュージカルくらい観劇できるよう、少し韓国語でも習おうかしらん?

という気分になりつつ、テハンノを後にした。

 

 

ホテルで眠って翌日はもう最終日。

日頃よくしてくれているクライアントに「射撃をしてきてください」という激励を受け、明洞の射撃場に行く。

コースは色々とありますが、ボクは次元コースなる物を選択。

3種類の銃を使って、合計25発の弾丸を、的にめがけてヒットする!

「衝撃がすごい」

聞かされていたのに、実際撃ったら「うぉぉっ!」なるヘタレな声をあげる私。

腕に伝わる反動がすごい。

銃身から飛び出す薬莢が、肩に、腕に、たまには顔に、パシパシ当たる。

痛くはないが。

 

成田空港についたのは夜の19時。

奇しくも今日は七夕だ。

空港内に飾られた笹に、短冊が揺れる。

珍しく、ちょっと大きな願いを書いた。

旅先でいろんな人生とすれ違ったからね。

 

おわり。