2014年6月放送の「もて声倶楽部」に提供したボイスドドラマ用のシナリオです。

朗読劇、ボイスサンプル、劇としての上映、映像化、オーディオドラマ化、YouTubeの動画のシナリオとしてご利用いただいて構いません。
特にご連絡いただく必要はありませんが、作品として公開されるのでしたら、教えてくれたら拝見させていただきます。

※著作権は放棄していません。
※シナリオそのものを配布したり、販売するのはご遠慮ください。
※こちらのシナリオを利用したことによって生じた不利益等には保証を行いません。
※商用利用の場合は、お手数ですがご一報いただけると助かります。


人物

先輩
後輩

先輩「やってよ〜」
後輩「やっす!」
先輩「そんな事言わないで」
後輩「や〜で〜す。隠し芸とかマジ勘弁っす」
先輩「常務とかぁ専務とかぁエライ人達に、覚えてもらうチャンスだよ?」
後輩「いらないっすから、それ」
先輩「必要だよぉ。サラリーマンは上司の覚えが全てだよ?仕事早いとか、地頭いいとか、実際出世に関係ないからねぇ」
後輩「興味ねぇっす」
先輩「むしろ障害になったりするからねぇ。僕もねぇ、それ知らないで、仕事出来ますアピールしちゃったばっかりに、未だに無役で営業周り」
後輩「(遮って)興味ないすから。上司の覚えとか悪くていいすから。ただの腰かけっすから。会社」
先輩「……。男は寿退社できないよ」
後輩「夢を掴んで、羽ばたくまでの腰掛けです」
先輩「かゆ……」
後輩「水虫(っすか?)」
先輩「違うよ。キミの発言がだよ。夢がどうとか、羽ばたくとか、イチイチ痒くてムズムズするんだよ」
後輩「汚れてる」
先輩「キミがキラキラしすぎなの。社会人も2年目でしょう?もう少し大人になろうよ」
後輩「やっす。ぜってーなりたくねっす。夢諦めて、上にへいこらして、後輩つかまえて愚痴る大人には」
先輩「オレの事?」
後輩「そこまでして出世なんかしたくねっす」
先輩「(小声で)させないから」
後輩「というわけで、お断りさせていただきます」
先輩「やりなよ〜」
後輩「やっすって」
先輩「なりたいんでしょ?声優。んだから定時で黙ってスパッと帰って、養成所とか行ってんでしょ?なら、役に立つよ、これ」
後輩「社員旅行で隠し芸するのが、なんで声優になる役に立つんすか」
先輩「同じだもん。……いい?どっちも人前でさ、心解放して、裸の自分さらけだすわけじゃない?」
後輩「……はい」
先輩「同じじゃない根っこは。でしょ?同じなのよ。違いは目の前にいるのが、監督さんか、おエライさんかって違いで。短い時間で自分の魅力をアピールするってコアな部分は同じ。判る?」
後輩「まぁ」
先輩「じゃやってくれるよね?隠し芸」
後輩「……。了解っす」
先輩「(驚いて)え、やるの?」
後輩「はい。これをきっかけに、夢に向かって、突撃開始っす」
先輩「ほぅ」
後輩「マジ勘弁っすから。社畜根性が染みついちゃうの」
先輩「……。オレの事言ってる?」

                 完