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声のでかさと体のでかさで有無を言わさず現場を引っ張るマッチョ監督になる事なく(なれない人も多いですが)、
雰囲気のいい現場を用意し、スタッフ&キャストのやる気を引き出し、結果として優れた作品を物にしたいと思ってる映画監督の手引きとなる名著が翻訳され出版されました。

それが「監督のリーダーシップ術」

監督のリーダーシップ術 5つのミステイクと5つの戦略

著者のジョン・バダムさんはハリウッドで長年映画監督して活躍してる人。
(サタデー・ナイト・フィーバーが有名ですが、アサシンとかHEROSの監督もしています)

そのバダムさんの前著「監督と俳優のコミュニケーション術 なぜあの俳優は言うことを聞いてくれないのか」が面白かったので、この新作も店頭で見かけて迷う事なく即買いしました。
前作は「監督と俳優のコミュニケーション」のみにフォーカスを当てていましたが、今回は少し守備範囲を広げ、映画監督として撮影全般において、やるべき事、やってはいけない事を説明してくれています。

アメリカでの出版が2013年9月と、本当にタイムラグなく日本語訳が出版されたようで、本で参照される映画や技術が新しいのが特徴。

全体は3つのパートに分かれています。

パート1は監督が陥りやすい5つのミステイクについて。
監督経験者ならば、ここで上げられたミステイクに心当たりがあると思う。
もっと早くこの本が出ていれば、恥を掻かずにすんだのに!と思ってしまう「あるある」なミステイクと、そうならないための提案がなされています。

パート2はアクションやサスペンスといったハリウッドのエンターティメント映画にはなくてはならないシーンをどう演出したらいいのか?について書かれています。

パート3は監督として撮影前に監督はどんな準備をするべきか、どんな点を注意してシナリオを読み込むべきか、ご丁寧にチェックリストまで作って提案してくれています。
パート3はパート1よりもさらに具体的に演出方法について述べていて、「演技のインターレッスン」といった演技の本と内容的に被る所が多いのですが、
バダムさんの人柄なのか、役者側ではなく演出側からの視点で書かれているからか、スッと腹に落ちてきて、とても判りやすかった。

全編を通して伝わってくるのは
「君主として君臨するのではなく、役者やスタッフをサポートし、彼らが能力を最大限発揮できるような現場を作るのが、監督たるアナタのお仕事ですよ」という主張。
まぁ実践するのはもの凄く難しいと思うんだけどね。

映画の監督をする人は、かならず手元に置いておくべき一冊

だと思う。


監督のリーダーシップ術 5つのミステイクと5つの戦略

※この手の本ほど電子書籍としてタブレットとかで読みたいんだけど、紙の本しか発売されていないのは残念。