『エイジ』 by 重松清
少年Aとして報道される事の多い、少年犯罪の加害者。
その少年Aのクラスメイト、エイジの日常(と、同級生が少年Aになる、という非日常)を描いている。
いじめ、非行、初恋、友情と、一通りのエピソードを揃え、純真無垢ではないけれど、でもオトナが一括りにしてしまいがちな中学生像とも、違う、おそらくこんな感じだろう。という中学生像は描けていると思う。
にも関わらず、イチイチ乗り切れなかったのは
結局の所、エイジは、起る出来事の中心に居る事が少なく、常に引いた目線で描かれる点にある。
もちろん、小説は、エイジの周りで起る出来事から、敏感に色んな事を感じ取り、もがくエイジの気持ちを丁寧に描いている。
しかし、それが逆に「多分こんな感じだったんだけど、ちょっと違う」という感覚を残す原因になっている気がする。
自分の気持ちを論理立てて、人に説明する事はおろか、自分自身ですら、自分の反応を理解しきれない部分こそが、思春期のイライラ感の根幹があったんじゃないか、と思うので。
あまりに、気持ちの機微を描写しすぎているんじゃないかな、と感じたのだ。

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