サラリーマンをした事のある人ならば「顧客視点」という言葉を一度は言われた事があると思う。

朝礼だったり
会議だったり
飲み会だったりで。

とかく乱発される「顧客視点」という言葉は、サラリーマンの日常では頻出するキーワードなわけですが、ボクは映画の編集作業こそ「顧客視点」って重要だよなと、新作の出演者の舞台を見た帰り道、ぼんやりと感じた。

自分の中へ中へと深く掘り進んでいくシナリオ
戦時中という形容がふさわしい、その場その場の決断が要求される撮影

それに比べると、撮影素材を編集するという作業は、かなり鳥瞰的に制作に関わる事ができ、かつ作品の最終的なクオリティを決めるプロセスだと思う。

自主映画(低予算映画でもそうかな)では、監督と編集者はイコールな事が多いんだけど、そうなるとどうしても撮影時の苦労に引きづられてしまいがちになる。

やれドリーを使ったシーンだから(金かかってるから)
やれテイクに10回以上かかってるから(時間かけてるから)
やれ出演者の熱演が光るから

撮影って、ほんと文化祭というか戦争というか、アドレナリンがドバドバ出てる状態で、必死でスタッフ、キャスト共に襲いかかるハプニングや、締め切りをかいくぐっていくプロセスなので、たかだ2日の出来事でも、重みが日常の2日とは全然違ってて、

自分の中で特別な……
言うなれば「生きてる実感」をビシバシ感じてた2日間なわけで、全てのシーンやカットが、捨てがたい美しい思い出だったりする。

撮影時の気持ちを引きづってしまう人間(監督含む)が、そのまま編集作業に向かうとどうしても「このシーンは残したいな」という甘えが生まれてしがいがちなんだけど(少なくてもボクは)

それを断ち切る判断基準として、ボクは「お客が喜ぶかいなか」を気にするようにしている。

結局の所、見ている人が楽しんでもらえる作品を作ろうと必死こいてるわけで、
撮影の時どんだけ苦労したとか、お客にとっては全く関係のない事!

そういうシビアな目で素材にハサミ入れてこう!
……と。

自分に言い聞かせてる。油断するとすぐに「でもこれは……」と言いたくなるから・